Imago05
寒い夜だ。
真夜中を過ぎた頃、ひっそりと読みかけていた本を
テーブルに置き、外へ出てタバコに火をつける。
外は雨が降っていたようだ。
街頭の明かりが静かに玄関前の暗い道をぼんやりと照らす。
風が山の木々の間をかけぬける。
音はするが、しかしその姿は闇に埋もれていて見えない。
ひっそりと静まりかえった辺りは風の音以外は、
じっと動かないかのように思えるほどだ。
タバコを吸い込むと、ジッジッと鳴る。
見上げると、街頭の周りが忙しなく動いている。
よく見ると、街頭の光が舞い落ちる小雨を照らし出し、
その周囲だけが光の粉を振ったように、
はらはらと音もなく幻想的に揺らめいている。
「はい、ここでピアノBGMが入るぅ!」
映像制作の編集室ならそんな声が聞こえてきそうです。
さて急に小説風な出だしで始めましたが、
今回は映像制作の『音』についての話。
では、一般家庭にあるような普通のビデオカメラで映画を作りましょう。
上記の様なシーンを撮影する場合は、まず普通のカメラで録音した
“その場”の音は使えません。
その理由は、実はカメラというのは“全て”を録音するからです。
例えば上記のシーンは様々な音の要素が入っているため、
音の役割が重要になって来るため、
ポイントとなる音を確実に収録したいですよね?
風、雨、タバコやその場の静けさが重要になります。
しかしそんなシンプルな様子を簡単に実際にカメラで撮影し、
再生してみると聞こえて来るのは、
暴風、雨、自分の呼吸音、服がこすれる音、
遠くの車、下水の音、雨受けの配管を流れる水等々、
要らない音が入っています。
カメラのマイクは正直に平等に、その周囲に聞こえる音を録っただけ。
なのに、何とも雰囲気のない映像に仕上がっちゃいます。
例えば服がこすれる音。ウィンドブレーカー等を着て外を歩くと
フィンフィンとうるさい!
でも、しばらく歩いていると嘘のように気になりません。
実は、これは私たちの耳が原因なのです。
人間の耳とはよく出来ていて、私達は普段の生活で、
何千、何万もの音を聴き分け、
その中から本当に自分にとって必要な情報だけを割り出して脳で処理します。
要するに私達は、日常生活での
“聴きたい音”と“聴きたくない音”を分けているのですね。
実際、耳ででわなく、心で世界を聴いている訳ですよ。
スゴいですね。。。
あっ。夜が明けました。
今週はちょっと色々事件があってつかれましたよ。。。笑
今日は温かいコーヒーを持って外でタバコを吸いながら、
自然の音色に耳を傾けて静かに癒されることとします。。。
どうですか? あなたもご一緒しませんか?
Laterz
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